認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

認知症の薬、治療薬の副作用 | メマリーとは?

認知症の薬には記憶などの中核症状を改善する薬、興奮したり、攻撃性が強くなったり、活気がなくなっりする周辺症状に使われる薬があります。

メマリー®(メマンチン)は中核薬の一種ですが、中等症から重症のアルツハイマー病に使用される薬です。

今回はメマリーの効能、使用方法、副作用について解説します。

 

メマリーとは?その効果は?

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PHOTO BY 第一三共

メマリー®(メマンチン)は2001年にドイツで開発、販売開始された薬です。

日本には2011年に第一三共製薬から販売開始された薬の一つであり、まだ歴史が浅い薬になります。適応としてはアルツハイマー型認知症の中等症から重症の患者さんに使われる薬です。

薬の役割としては中等症以上の認知機能が低下した患者に使われる薬であり、いきなり最初から投与される薬ではありません。

 

メマリーの作用に関してはアリセプトなどのコリンエスラーゼ阻害薬と呼ばれる薬とは違い、脳内のグルタミン酸濃度をコントロールして症状を和らげる作用があります。

様々な研究でグルタミン酸が記憶や学習などに関わる神経伝達物質の可能性が高いことがわかっています。

認知症になってしまうと脳内のアミロイドβ蛋白のような異常たんぱく質の影響でグルタミン酸濃度が上昇してしまいます。

グルタミン酸濃度が上昇し、過剰になってしまうと神経伝達のシグナルが伝わらなくなり、その影響で学習障害、記憶障害がでるとも考えられています。

メマリーは過剰になったグルタミン酸の濃度を低下させて、神経伝達シグナルを改善させ、記憶や学習障害を改善させる効果を期待した薬になります。

 

メマリーには中等症以上のアルツハイマー型認知症の記憶障害などの中核症状に効果があるとされています。さらに徘徊、落ち着きのなさ、怒りっぽさなどの周辺症状の改善にも効果があることが報告されており、使用されています。

 

今のところ唯一メマリーだけはアリセプト、レミニール、リバスタッチ、イクセロンパッチなどと併用することができる薬です。中等症の患者にはコリンエスレターゼ阻害薬とメマリーの2種類の薬を使用することが可能です。

メマリーの種類、飲み方

 

メマリーには5mg、10mg、20mgの3種類のあり、錠剤もしくは口腔内崩壊錠(OD錠)の2種類の剤型があります。

添付文章上はまずは5mgから開始して、1週間ごとに増量、最終的には20mgまで増量するようになっています。

ただし増量することで副作用がでることもあるため、その人に合った量にて調整されます。用法容量に関しては必ずかかりつけ医の指示に従いましょう。

また腎機能が悪い方は10mg以上の内服をしないほうがいいとされており、注意する必要があります。

メマリーの注意点、副作用

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メマリーは現在のところアルツハイマー型認知症の初期の人にはあまり効果が上がらないとされており、中等症以上の患者さんに使われています。

ただ最近では早期に内服を開始することでその後の進行が抑制されるというデータもあるため早くから内服開始となることもあるようです。

 

メマリーの注意点としては他の薬よりもめまい、ふらつきの副作用が多く起こることが報告されています。頻度も高く、飲み始め、増量時に症状がでやすいと言われているため注意が必要です。

メマリーを内服することでめまいが起こってしまうと転倒する可能性が上昇します。認知症の場合転倒、骨折するだけで症状が悪化、進行してしまうため飲み始めには十分きをつけましょう。

その他副作用としては便秘が多く報告されています。ただでさえ水分摂取が減っているため高齢者は便秘になりやすい状態です。メマリー服用時には十分水分を摂るように心がけるようにしてください。

また興奮などの周辺症状に効果がでることがあるのですが、一方効きすぎると傾眠になったりする場合もあります。

その他精神症状、けいれん発作などの報告もあります。

 

認知症の薬メマリーについて解説しました。あなたもしくはご家族が飲む薬なので異変があればかかりつけ医に必ず相談しましょう。