認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

レビー小体型認知症は薬で副作用がでやすい!それ本当?

あなたはレビー小体型認知症という病気をご存知でしょうか?

最近ではアルツハイマー型認知症についで多いともいわれる認知症であり、特徴的な症状が出る病気です。

このレビー小体型認知症ですが、実は認知症の薬で副作用がでやすいことが最近報告されています。

どんな病気であり、どんな薬に注意する必要があるのか解説します。

レビー小体型認知症とは?

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最近認知症の薬で症状が悪化することが多く報告されているレビー小体型認知症

1976年に日本人の小坂 憲司先生らによって報告された認知症であり、1995年レビー小体型認知症と命名されました。

ただ当初レビー小体型認知症の存在を知る人は少なく、ほとんどがアルツハイマー型認知症と診断されていたようです。

ここ数年の間に私たち一般人にも知られるようになった認知症です。

最近でアルツハイマー型認知症に次いで発症数が多い認知症とされ、認知症全体の約20%程度を占めることがわかっています。

さらにはアルツハイマー型認知症に比べると男性の割合が圧倒的に多く、女性の2倍多いとされています。

 

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症と同じで脳内に異常なタンパク質が沈着して、発症する病気ということがわかっています。

アルツハイマー型認知症の時にはアミロイドβ蛋白が沈着しますが、レビー小体型認知症の時にはレビー小体という異常タンパク質の塊が沈着します。

 

このレビー小体型認知症ですが、最近アリセプト、レミニールなどの認知症の薬で副作用が強く出ることが報告されており注意が必要です。

レビー小体型認知症の症状とは?

アルツハイマー型認知症はさっき言ったことが覚えられないといっった物忘れなどの短期記憶障害から発症することが多い病気です。

一方レビー小体型認知症は認知機能低下もみられますが、歩行などがおかしくなるパーキンソン症状、さらに実際には存在しない人や動物がみたりする幻視といった症状も見られることがあります。

認知機能の低下と変動

アルツハイマー型認知症と違って物忘れなどの記憶の障害が出続けるわけではなく、認知機能に変動がみられることがあります。

例えば非常に冴えている日があったり、まったく調子が悪く、おかしなことばかり言ったりする日もあったりといい日、悪い日が混在することがあります。

全体的に認知機能が低下しているために、非常に調子が悪い時などを見ると何か重大な病気が起こったようにも見えてしまい注意が必要です。

歩行などに影響がでるパーキンソン症状

レビー小体型認知症の特徴的な症状としてパーキンソン症状がでることは有名です。最近ではレビー小体型認知症はパーキンソン病と同じ原因で発症するとされており、そのために同様の症状がでることがあります。

小刻み歩行になったり、手の震え(振戦)、姿勢維持が難しくなったりする症状などが有名です。

存在しないものがみえる幻視

夕方など暗くなると症状を訴えることが多く、「人(その場所には存在しない人)が来ている」「虫がたくさんみえる」「人の気配がする」などの症状を訴えます。

初期の段階にみられることが多い症状であり、本人はかなりリアルに見えているようです。実際には存在していないものであり、壁、家の中の物が夕方になり暗くなったことで、他のものに見えている可能性が高いことが多いようです。

 

その他にもうつのような症状がでてうつ病と間違われたり、夜間に叫んだり、寝言を言うといったレム睡眠行動障害などもみられることがあります。

薬で副作用が出るレビー小体型認知症。その対処法とは?

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レビー小体型認知症の患者さんの一部に薬の過敏があるといわれています。

その原因ははっきりしていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが極端におかしくなっており、そのために副作用が出やすいのではと考えられています。

 

レビー小体型認知症の場合には、どのような薬にも過敏反応が出たり、副作用が出たりする可能性があります。ただその中でも中核薬と呼ばれているアリセプト、レミニール、リバスタッチや抗精神病薬などでの副作用が最も多く報告されています。

認知機能を改善させる目的で飲んだ薬で傾眠になったり、歩行が難しくなるといった副作用がでることがあるためそのことを十分認識しましょう。

特にアリセプトは増量していく過程でパーキンソン症状が強く出ることが報告されており注意が必要です。あと抗精神病薬もパーキンソン症状がでやすいことも頭に入れておくといいでしょう。

さらに薬の内服によって元気が無くなったり、傾眠傾向になる人もいます。

レビー小体型認知症と診断された場合にはアルツハイマー型認知症などに比べると薬の副作用が出やすいため、内服し始めや薬が増える時には十分気をつけましょう。

 

薬を飲み始めてから副作用がでた場合にはすぐにかかりつけ医に相談して、薬の変更をしてもらうかもしくは中止してもらうようにしましょう。

家族、自己判断で中止することも可能ですが、突然中止した場合には中断に伴う副作用の可能性もあるため、できるだけかかりつけ医に相談するようにしましょう。

またあまり薬が合わない場合もあり得ます。その場合には、たとえば介護サービスなどの利用、あなた自身の介護方法を考えたり、場合によってはサプリなどの栄養補助食品なども考慮に入れることをお勧めします。

 

レビー小体型認知症は非常に薬による副作用が起こりやすい病気です。治療薬には十分注意して、何か副作用が出た時にはすぐに対応してください。