認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

認知症の薬の副作用 | アリセプトで徘徊?

認知症の症状で徘徊という症状があるのをご存知でしょうか?

急に夜になると家の中を動き回ったり、ひどい場合には外にまで出てウロウロすることもあります。

認知症の人が徘徊を始めると非常に厄介であり、本人にとっては怪我などの危険性が高くなりますい、家族にとっては介護負担が非常に増えてしまう可能性があります。

認知症の一般的な症状としても徘徊はありますが、アリセプト(ドノペジル)の副作用で徘徊がひどくなってしまうことも最近は報告されています。

今回は認知症の徘徊がどんな症状なのか、そしてアリセプトの副作用で徘徊がひどくなった時の対処法について解説します。

認知症の症状でなぜ徘徊が起こるのか?

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認知症になり、症状が進行すると家の中を無意味に歩き回ったり、外に出て行きあてもなくフラフラとしてしまうことがあります。

一般的にこの症状を「徘徊」と呼んでおり、本人、介護者ともに非常に大変な症状です。

家の中だけをウロウロするだけならいいのですが、外にまで出始めると迷子になってしまい、最悪行方不明にもなる可能性があります。昨年の認知症の行方不明者は1万人を超えており、外への徘徊によって自宅に帰れなくなってしまう可能性が出てきます。

さらに外で怪我をしたりする可能性もあり、また注意力が低下しているため自動車事故や列車事故などの可能性も高くなり、生命の危険性にもつながります。

さらに昨今徘徊によって社会的な不利益をだした場合には、本人だけでなく、家族の責任も追及されてしまいます。列車事故での判決でもあったように認知症の家族が徘徊して事故を起こした場合には保護責任を追及されてしまい、介護者にとっても非常に厳しい現実が突きつけられてしまいます。

認知症の症状の中で徘徊は非常に厄介であり、本人の生命の危険性を高めてしまい、しかも家族への負担をかけてしまう症状なんです。

徘徊の原因

徘徊の原因ですが、多くは何かを探していることがほとんどです。物忘れを基本とした記憶障害があり、そのため置いたものの場所がわからず探すためにウロウロとしてしまいます。

また認知症が進んでくると今住んでいるところがあたかも自宅ではないように感じられてしまいそのために自分の家を探したりするために外に探しに行ってしまうこともあります。

無意味に家の中や外をふらついているわけではなく、認知症の人本人は不安が強く、若習いことへの答えを見つけるためにやっていることがほとんどです。

徘徊の原因は記憶障害によることが多いのですが、他にも前頭葉の機能が低下することで同じことを繰り返してしまう症状が出ることがあります。

この場合には外に出て同じ経路を1周したりと決まった行動しかしません。記憶障害による徘徊に比べると迷子になる可能性は低いのですが、事故に会う危険性はついて回ります。

あと最近ではアリセプト(ドノペジル)などの中核薬と呼ばれる薬の副作用で徘徊が出ることが報告されています。

徘徊などの症状がでる時には興奮したり、暴力を振るったり、幻覚、妄想がでていたりと陽性症状と呼ばれる症状が強くでていることが多いとされています。

アリセプトなどの中核薬は基本的には興奮系として働くために徘徊、暴力などを強くしたり、誘発したりする可能性があり注意が必要です。

ただし薬の添付文書城は1%未満とそれほど多くは報告されておりません。ただアリセプトは興奮系に働く薬であるため認知症が進行した時期にはこのようなことが起こることを十分頭に入れておく必要があります。

徘徊が起こった時の対処法

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徘徊がでた時の対処法としては、まずはアリセプトを飲みだした時期の症状で判断する必要があります。

アリセプト(ドノペジル)を飲みだしてからすぐにこのような症状がでた場合には薬による副作用の可能性が高くなります。その場合には、一旦薬を減量、もしくは中止したほうがいいでしょう。

かかりつけ医に相談してから薬の量を調節してもらうか、もしくはご家族の判断で減量もしくは中止してあげください。

アリセプトを以前から続けていて、最近徘徊するようになった場合には薬の副作用よりは病状の進行によって徘徊がでてきた可能性があります。

この場合にはアリセプトを中断しても徘徊は治らない可能性があります。ただこのような症状がでている時にアリセプトなどの中核薬を継続していると余計症状が悪くなることもあり、かかりつけ医と十分相談して減量もしくは中止してもらうようにしてください。

徘徊がでた時には薬の減量、中止だけでなく介護方法を工夫する必要があります。

まず徘徊するようになったからと行って決して叱ったり、怒ったりしないようにしましょう。本人は怒られたことでもっと今いる場所が嫌な場所と感じてしまい、逆に徘徊する頻度が増えてしまう可能性があります。

介護の基本ではありますが、まずは聞いてあげてください。徘徊したからと行って怒らず、まずは何が不安で徘徊しているのかを聞いてあげましょう。そして寄り添ってあげることで不安が消え楽になり、徘徊も減っていく可能性があります。

また徘徊しそうな時には一緒に外に出てあげて散歩をしたり、時々外に一緒に外出するようにしてあげ気を紛らわせましょう。

これだけでも徘徊する頻度は減ります。

介護の対応でもどうしても困るようなら抗精神病薬などをかかりつけ医に投与してもらうか施設入所なども検討する必要があります。

 

アリセプト(ドノペジル)で徘徊が増えたり、急にするようになる可能性があります。内服中は十分注意して、症状が出るようならすぐにかかりつけ医に相談してください。