認知症の周辺症状には活気の低下、やる気の喪失、うつ症状など活動性が低下する症状がでることがあります。
このような症状がでた時に使われるのが中核薬のアリセプトやサアミオン、シンメトレルといった薬が使われます。
今回その中でも脳循環改善薬であるサアミオン(二セルゴリン)について解説します。
サアミオン(二セルゴリン)は一体どんな薬なの?
1988年に田辺三菱製薬から販売となった薬です。
脳血流増加作用、脳エネルギー代謝改善作用、抗血小板作用がなどが期待されて発売された薬です。
現在は脳梗塞後遺症後の意欲低下の改善に使用される薬となっており、脳梗塞の治療薬としては使われていません。
もともと脳梗塞後の脳循環改善薬としてかなり使用されていた薬ですが、脳梗塞の治療ガイドライン上治療薬としては意味がないとされ、現在はあまり使用されなくなっています。
サアミオンですが、最近では脳梗塞後の意欲低下以外に高齢者の意欲や活気をあげる目的でも使用されることもある薬です。
認知症の人に対しては活動性の低下、活気の低下、うつ症状などの周辺症状に処方されており、それなりの効果がでているようです。
サアミオンを内服することで活気がでる人もいるようであり、認知症の治療薬としてはしばしば使用されています。
古い薬のため薬価も安く、比較的副作用も少なく、私たちが飲むには非常に飲みやすい薬になります。1日服用量が最大で3錠まで内服可能な薬であり、錠剤、散剤の2種類があります。
サアミオンの副作用とは
サアミオンはあまり強い効果がない薬です。作用が強くない分、副作用も少なく、私たちにとっては飲みやすい薬の一つです。
副作用としては2%程度の頻度でおこるとされており、その中でも食欲不振、下痢、便秘が多い症状となります。
他には頭痛、発疹、肝機能障害などもおこる可能性はもありますが、発生頻度は非常に低く、それほど重篤な副作用を起こす薬ではありません。
副作用というわけではありませんが時に高齢者が内服すると興奮することがあると報告されており、念のため注意が必要です。
基本的にはこの薬で副作用がでた場合には自己もしくは家族の判断ですぐに止めるようにしましょう。
副作用がでた場合には薬を中断後必ずかかりつけ医に相談するようにしてください。
サアミオン(二セルゴリン)はそれほど強い作用がある薬ではありませんが、一応気をつけるようにはしてください。