認知症の周辺症状にはさまざな症状があります。
その中で自発性の低下、うつ傾向、意欲が低下するような症状が見られた時に抗うつ薬(パキシル、ジェイゾロフト、サインバルタ、レメロンなど)が処方される事があります。
あなたの家族にも処方された事ないですか?
ただ抗うつ薬が効果がでればいいのですが、高齢者には副作用も数多く報告されています。
もしもあなたの家族に抗うつ剤が処方された時に気をつけたい注意点や副作用について解説します。
認知症に抗うつ薬?種類と効果
うつ病という病気をご存知でしょうか?
最近老若男女を問わず発症してしまう病気であり、今社会的な問題になっています。うつ病の治療には環境調整が大事ですが、それに加えて病院、クリニックでは抗うつ薬が処方され治療されています。
日本で使用されている抗うつ薬
・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
パキシル、レクサプロ、デプロメール、ジェイゾロフト、ルボックス
・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
トレドミン、サインバルタ
・ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性 抗うつ薬(NaSSA)
レメロン、リフレックス
・三環系抗うつ薬
トフラニール、アナフラニール、トリプタノール、アモキサン、ノリトレン
・四環系抗うつ薬
ルジオミール、テトラミド、テシプール
メインに使われている抗うつ薬は上記になります。
抗うつ剤の使用には特に決まりがなく、患者さんごとに合うものがチョイスされ投与されるようになっています。
うつ病の薬ですが、認知症の周辺症状に対して使われる時があります。
認知症の周辺症状でうつ傾向、反応性の低下、自発性低下、意欲の低下がみられた時に改善を目指して処方される場合があります。
ただしうつ病とは違い、改善する確率もあまり高くなく状況に応じて使用されているようです。
抗うつ薬の副作用とは
基本的に認知症にはあまり使用される薬ではなく、安易には処方されません。いきなり抗うつ薬が処方された場合にはしっかりと理由を確認して、納得してから内服するようにしてください。
抗うつ薬にはたくさんの種類がありますが、全般的に眠気、便秘、口渇の3つがでやすく注意が必要です。
・眠気
抗うつ薬も中枢神経を抑制する作用があるため眠気、ふらつきがでやすいです。また注意力の低下、日中の傾眠傾向もでる可能性があります。転倒の危険性も上がるため注意が必要です。
・便秘、口渇
コリン作用があり自律神経系の副作用がでやすい薬になります。内服時には口渇、便秘を訴える事が増えることもあり注意してください。
あと頻度は少ないのですが、抗うつ薬の服用に伴い急な中断、増量時に悪性症候群を起こすことがあります。そのため自己判断、家族の判断での薬の中止は控え、内服時に気になる事があればかかりつけ医に確認するようにしてください。
(悪性症候群:抗精神病薬、抗うつ薬などの服用、中止などの時に高熱、意識障害などの症状を起こす病気です。命に関わることもある重大な副作用です。)
認知症の方の場合高齢者が多いため、抗うつ薬による副作用がでやすくなります。もし抗うつ薬が処方された場合には副作用がでていないかどうかしっかりと観察するようにしてください。
基本的には薬のため様々な副作用がでる可能性があり、内服開始後からは症状の変化を少しきにするようにしましょう。
対処法
副作用がでた場合には基本的には減量、もしくは中止するしかありません。ただ先ほども記載したように減量、中止時に悪性症候群を引き起こす可能性があります。
そのため必ずかかりつけ医に相談し、薬の減量、中止の指示を受けるようにしてください。
抗うつ薬は認知症の人に安易にだされる薬ではありません。また最近は新しい作用機序の抗うつ薬が多く使われるようになっています。
病院を受診して間もないの抗うつ薬が処方されたり、古くから使用されている抗うつ剤が処方された場合には、医者から必ずしっかりと納得のいく説明を受けるようにしましょう。
もし納得できない場合には、病院を変えるのも副作用を減らす方法になります。
十分注意してください。
認知症の周辺症状改善目的で抗うつ薬が使用されることがあります。意欲がでたりすればいいのですが、副作用には注意が必要です。
家族のことはあなたが守る必要があります。くれぐれも抗うつ薬内服時には注意をしてください。