認知症の薬の副作用として「吐き気」「吐く」「嘔吐」などの症状が出ることがあります。
コリンエステラーゼ阻害薬にはよく、消化器症状がでることが多いことがわかっています。
吐き気が強く、吐いたりすると食事が取れなくなり、それだけでも認知症の進行につながってしまいます。
認知症の薬で吐き気や吐いたりするようになった時の対処法を解説します。
認知症の薬が吐き気を出す原因とは?
認知症の薬の中でも中核薬と呼ばれるコリンエステラーゼ阻害薬には消化器症状が出やすいことが薬の説明に書かれています。
コリンエステラーゼ阻害薬は脳内のアセチルコリン濃度を上げる作用がありますが、他の体内のコリンの濃度も上げてしまいます。
そのため体内で増加したアセチルコリンが消化器にあるムスカリン受容体(コリンが作用するたんぱく質)に作用してて、消化器症状を引き起こしてしまいます。
アセチルコリンが上昇することで起こる副作用であり、アリセプト®、リバスタッチ®、レミニール®などの中核薬では消化器症状が現れやすく注意が必要です。
通常認知症の薬は少ない容量から徐々に増量されるため飲むことで慣れて症状も治まることもあります。
ただし少量の内服でも消化器症状がでることもありますので油断は禁物です。
吐き気や嘔吐などの症状が出た時の対処法
吐き気や嘔吐の症状はアリセプト®、レミニール®によくでやすい副作用です。
症状がでてしまうと食事摂取が減ってしまい、体調が悪くなってしまいます。認知症は体の調子が悪くなるだけでも進行してしまう可能性があり注意が必要です。
そのため吐き気や嘔吐の症状がでた場合には、まずはその回数がどのくらいか把握しましょう。
内服してから最初の日に嘔気、嘔吐などの症状がでた時もその後日にちが経てば改善することもあります。そのため翌日から症状の変化を見ながら、改善あればそのまま薬は継続でいいでしょう。
ただ薬を継続していると嘔気、気分不良が続き、食事摂取が減少してしまう方もいます。
その場合にはすぐにかかりつけの先生に相談して、減量してもらうか中止してもらうかの判断をあおぎましょう。
またもともと消化器症状がでやすい人はかかりつけ医と相談して、認知症の薬と同時に吐き気止めなどの薬を一緒に内服できるようにしてもらうことも重要です。
都合によりすぐにかかりつけに行けない場合には、認知症の薬は大きな問題が起こることは少ないため、自己判断もしくは家族の判断で中核薬を一旦やめてみましょう。
また中核薬以外の認知症の薬にも吐き気や吐くといった副作用がでる場合があるため、内服が開始になってからはしばらく体調をしっかりと把握しましょう。
高齢者は栄養摂取が低下するだけで体調がいっきに崩れてしまう場合があります。症状がでた時には我慢せず、なるべく早くに医療機関を受診しましょう。
認知症薬で吐き気、吐くなどの副作用の症状がでる場合があるので飲みだしには十分注意してください。