認知症の薬の中で世界初の薬として登場したアリセプト(ドノペジル)。認知症に対しては非常にいい薬ですが、やはり副作用が出る場合があります。
最近アリセプトに関しては様々な副作用が報告されており、副作用中心に解説します。
アリセプトを飲むときの注意点
基本的に薬を飲む時には、かかりつけ医に持病やアレルギーの有無をちゃんと説明する。また他の薬との相互作用があるためどのような薬を飲んでいるかは報告してください。
アリセプトを飲むことで認知症自体の病状が悪化することもあります。また心臓病、消化器系の病気、パーキンソ病様の症状がある場合にはその病状が悪化する場合があるので注意してください。
薬の飲み合わせで副作用がでやすくなる場合があり、胃薬や抗生剤を飲んでいる人は飲み合わせに注意してください。
アリセプト副作用は飲み始め、そして薬の増量時に副作用がでやすいのでこの時期はよく自分の症状を確認しましょう。
アリセプトの副作用とは
アルツハイマーの初期から重症の人、軽度認知障害の人への早期からの内服、そしてレビー小体型認知症の人へ投与される薬です。
薬には全てに副作用の可能性があります。薬を飲みだしてから異変を感じた時には薬をやめるか変更してもらう必要があります。
アリセプトはコリンエステラーゼ阻害薬であり、脳内のアセチルコリンの濃度を上昇させます。
アセチルコリンは脳内では記憶の伝達を行う物質として働くためこの薬の内服で物忘れなどの症状の進行を抑える働きをします。
しかし脳内だけでなく、全身にも作用し、アセチルコリを増やすため消化管の動きに関与してしまいます。そのため消化器症状が一番多くでる副作用になります。
その他心臓、腎臓、精神的な副作用もあり注意が必要です。
消化器症状
嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出る場合があります。また食欲不振がでやすく、内服開始、増量時に多く起こりやすいです。
心臓、血管系の症状
動悸、息切れ、脈の乱れ、胸部違和感を感じることがあります。また不整脈の可能性もあり、徐脈が多く、失神することも時々あります。
また心筋梗塞、心不全などの症状の悪化も頻度は少ないのですが報告されています。
パーキンソン症状
手の震え、歩行障害、動作緩慢、体が勝手に動いたりする症状がでる場合があります。またもともとパーキンソン症状がある場合にはその症状が悪化することがあります。
薬の増量時に歩行障害が悪化して、ふらついたり、歩けなくなることもあります。
悪性症候群
薬を急に中断するとまれですが、悪性症候群を起こす可能性があります。(悪性症候群とは薬の突然の中断に伴い発熱、横紋筋融解などを起こす重篤な病気です)ただし一般的な抗精神病薬の発生頻度に比べると非常に低い確率です。
精神的な副作用
易怒性が強くなったり、攻撃性が強くなったりすることがあります。薬を飲むことで興奮したり、イライラが強くなることもあります。興奮性に働くことがあり、注意が必要です。
また逆にうつ症状が強くなったり、傾眠がちになったりする場合もあります。
その他の症状や副作用
頻度は少ないですが、脳出血やけいれん発作、激しい頭痛などの可能性があります。呼吸困難感、息苦しいといった呼吸器症状も出る場合があります。
腎不全、膵炎などの副作用も報告されていいますが、頻度は少ないものとなっています。
以上のような副作用以外もでる可能性があります。飲み始めてから注意することは、何か変な症状が起こった場合には、副作用の可能性をしっかりと考慮に入れることです。