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認知症の薬の中でアリセプト®(ドノペジル)には活気を出す作用があります。
最近アリセプトを飲むことで興奮したり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりすることが多く報告されてます。
活気がでて元気になってくれるのであれば本当にありがたいのですが、怒りっぽくなったり、イライラされると介護している周りも大変です。
今回は認知症の薬であるアリセプトを内服して興奮したり、攻撃性がでた時の症状と対処法について解説します。
アリセプト(ドノペジル)で興奮、攻撃性がでる場合とは?
アリセプトは中核薬と呼ばれる薬であり、主に脳内のアセチルコリンを上昇させることで症状を緩和させる作用がある薬です。
脳内のアセチルコリンを増加させることで、記憶などに効果があることがわかっており、さらに幻視などの周辺症状を改善させる作用もあります。
ただアリセプトですが、副作用も多く報告されています。
内服した時にでやすい症状として、
「ちょっとしたことで興奮しやすくなる」
「攻撃性が増す」
「怒りっぽくなる」などの症状がでる場合があります。
ただし、なぜこのような症状がでるかはまだはっきりしておらず、また副作用かどうかも議論があるところのようです。
認知症の専門医によると一つは薬を飲むことで頭の回路が回るようになり、自分の物忘れなどに不安を覚えてしまい、不安の感情をうまく逃がすことができないため怒りっぽくなったりする可能性があるようです。
また純粋にアリセプト自体の作用として活気が出る作用があります。あまり強く効果が出ることで興奮性、攻撃性が増えるといった副作用がでてしまう可能性も否定はできません。
何れにしてももともと怒りっぽい人やイライラしやすい人がアリセプトを処方された場合には注意が必要です。
症状はアリセプトを内服した当初からでる場合と増量時によくでることが知られています。
アリセプトが処方され服薬開始した時期には、周囲の人がしっかりと様子をみていく必要があります。
興奮したり、攻撃性が強くなった時の対処法
日常生活でアリセプトを飲み始めてからよく興奮するようになったり、攻撃的になったり、怒りっぽくなったり、イライラするようなことが増えた場合には、まずはどのようなことでその症状が出るかを観察しましょう。
よく多いのは介護者側の対応にあることがあります。
今までで聞いたことができなくなったり、何度も同じことばかり聞かれてどうしてもイライラしてあたったりすることがあります。
その時のあなたの対応によって相手も怒ることが多くなってしまいます。
病気の人を相手していると考えて、相手の行動に対してまずは優しく見守ることから始めてみましょう。
認知症の人は不安でいっぱいです。
少しでもまずは不安をなくしてあげるつもりで接してあげてください。
あなたが優しく接することができれば怒りやイライラなどの興奮、攻撃性が和らぐこともあります。
ただし介護者側の対応を変えてもなお症状が続くようならアリセプト内服による副作用も疑う必要があります。
副作用が疑われた場合にはまずはかかりつけ医に相談しましょう。
そしてなるべく薬を減量、もしくは中止してもらいましょう。
ただ受診する暇がないなどの場合はアリセプト自体をやめても大きな副作用がでる場合はないため中止してみましょう。
一点だけ注意することがあります。
アリセプトを中止する時には、認知症の症状(記憶、周辺症状)が悪化する場合もあることを十分頭に入れておいてください。
またアリセプトを中止しても興奮、攻撃性が治らない場合には認知症の進行や他の病気が存在している場合もあります。
改善がない場合には認知症の専門医でないと対処が難しい場合があるため紹介もしくは専門医のいる病院を受診して、適切な治療を受けることをお勧めします。
いずれにしてもアリセプトで怒りなどの興奮、攻撃性といった薬の副作用が出たときには、まずはよく症状を確認してから、対処をしてください。