認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

認知症の薬の副作用 メマリーで眠気、幻覚が出た時の対処法

認知症の薬でメマリー®(メマンチン)ですが、アルツハイマー型認知症の中等度から重症の患者に使用される薬です。

メマリー内服でめまいがでることが多いのですが、次いで眠気、幻覚などの副作用がでることもあります。

なぜ眠気や幻覚がでるのか、そしてその時の対処法について解説します。

メマリーで眠気、幻覚がでるのはなぜ?

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メマリーは中等症から高度のアルツハイマー型認知症に対して使用される薬です。メマリーはアリセプトなどのコリンエスラーゼ阻害薬と呼ばれる薬とは違い、脳内のグルタミン酸濃度を低下させることで症状を和らげる作用があります。 アセチルコリンと同様に最近ではグルタミン酸も記憶や学習などに関わる神経伝達物質の可能性が高いことがわかっており、その部分に作用する薬です。 認知症になると脳内のアミロイドβ蛋白のような異常タンパク質が脳細胞を破壊していきます。 その影響で脳内のグルタミン酸濃度が上昇してしまい、過剰になってしまいます。その影響で神経伝達のシグナルがうまく伝わらなくなり、学習障害、記憶障害がでると考えられています。 メマリー自体は過剰になったグルタミン酸の濃度を低下させ、調整します。そして神経伝達シグナルを改善させ、記憶や学習障害といった症状を和らげます。 実はグルタミン酸は過剰になると神経伝達を阻害しますが、減少しても意識や認知機能に影響します。 グルタミン酸はもともと興奮性の役割を果たしており、その濃度が低下してしまうと眠気、傾眠傾向、幻覚などの精神症状がでやすくなります。 そのためメマリーはグルタミン酸の濃度を調整するため眠気(1%)、頻度は少ないがながらも錯乱幻覚などの精神症状がでることがあります。

メマリーで眠気、幻覚がでた時には

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メマリーはめまいの副作用が起こりやすい薬です。

ついで多い副作用としては眠気、幻覚ですが、めまいよりは頻度は少ないですが、注意が必要な副作用です。

メマリーの内服開始時、もしくは増量時に眠気の症状がでやすいとされています。そのため内服をはじめてからは眠気がないかよく観察する必要があります。

朝起きてからよく寝るようになったり、日中もこっくりが増えたり、ずっと寝るようになったら副作用の合図かもしれません。

このような眠気がでた場合には、まずはできるだけ外出するのを控え、転倒しないようにしましょう。そして家族が調子をしっかり見てあげながら食事の量などしっかりと確認しておきましょう。

もしも数日内服しても続くようなら、日常生活の動作が制限されてしまいます。

日常生活が制限されると脳への刺激も減り、認知症が進行する恐れがあります。

そのため眠気が続くようなら必ずかかりつけ医を受診して、薬の減量もしくは中止してもらうようにしましょう。

メマリーを中止する以外に眠気を軽減させる方法としては、夕方に内服することも一つの方法です。夕方であれば逆に夜ぐっすりと眠れて朝が快適になる可能性もあるため試してみてもいいでしょう。

まずは朝飲んでみて眠気が出ないか確かめながら、必要ならかかりつけ医に相談しながら飲み方を調整してみてください。

 

幻覚などの精神症状がでることもあります。この場合にはただちにメマリーを中断する必要があります。

ただ急に幻覚などの症状がでた時には、薬の副作用だけでなく、体調の変化によってもでることがあります。

この場合には必ずかかりつけ医を受診して、しっかりと相談してください。

 

基本的には薬に副作用は存在します。

メマリーには眠気、幻覚などの副作用がでる可能性があり、十分注意が必要です。副作用かなと思った時にはすぐにかかりつけ医を受診しましょう。