認知症になってしまうと色々な症状がでてきて本人、家族が不安になります。
今のところ認知症の症状を抑えること、進行をゆっくりにするために飲む薬しかありません。
その中の薬の一つにアリセプト®(ドノペジル)という薬があることをご存知でしょうか?
この薬日本の会社で作られた薬ですが、いい面もあるのですが、攻撃性、興奮、イライライ、うつ、倦怠感、パーキンソン症状など様々な副作用の報告が出ています。
しかもネット上では「アリセプトは飲むな!」という過激な発言もあるくらいです。
いったい何が本当なのか、そして何が大事なのかを調べてみました。
アリセプトを飲む意味とは?
認知症になると物忘れ、記憶障害、学習障害などの中核症状がでたり、それに伴って出る興奮、イライラ、うつなどの周辺症状がでてしまいます。
症状が進行すると生活面がだんだんと難しくなり、今までできていたことができなくなります。
そうなると家族の負担が増えてしまいます。
機嫌がよければいいのですが、生活面が自分自身できなくなるだけでなく、性格なども変わってしまってより家族に迷惑をかけることもあります。
認知症の薬、特に中核薬は本人の記憶障害の症状を抑えたり、うつなどの元気がない症状を改善させる目的のものです。
その中でもアリセプトは認知症の進行を予防する薬として最初にでた薬であり、今も治療に使われている薬です。
現在のところアリセプトはアルツハイマー型認知症の進行を抑えることとレビー小体型認知症の進行を抑えること目的に使用されています。
私たち一般人はアリセプトを飲む意味は、認知症の初期の段階もしくは超早期の段階から物忘れの症状が進まないようにすること、そして長く家庭生活をおくっていくことではないでしょうか?
「アリセプトを飲むな!」これって本当?
アリセプトですが、実際アルツハイマー型認知症を対象とした研究では、飲むことで十分な効果がみられることが実証されています。
そして現在も認知症の人には投与されている薬であり、決して悪い薬ではないようです。
ただ最近アリセプトの副作用で悩んだり、困ったりする方が増えており、ネットでも多くの書き込みがでているため「アリセプトを飲むな」という意見があるようです。
このような意見がでるのはなぜかというと、
例えばアリセプトを飲みだしてから興奮、攻撃的になったり、イライラしたりして逆に介護が大変になったりするケースがあったり、
飲みだしてから活気がなくなり、うつ症状がでたりするケースがあったり、
またパーキンソン症状も副作用としてでやすく、
特にレビー小体型認知症の人がアリセプトを飲むと症状が強くでて歩けなくなったりすることもあるためです。
このような副作用がでてしまうと本人、家族、介護者が不幸になってしまいます。
ただ効果がでれば全く問題ない薬のため、「アリセプトを飲むな」ではなく「アリセプトを飲むときには注意しましょう」という状態です。
今後もしも周りの方でアリセプトを内服することがあったなら、しっかりと経過を見て、何かおかしな副作用がでたときには早めにかかりつけ医に相談しましょう。