認知症になると物忘れなどの記憶障害に始まり、様々な症状がでてきます。
そのため少しでも症状を遅らせるために薬を飲みます。
現在日本には4種類の認知症の薬があります。
よく使われるアリセプト®(ドノペジル)とメマリー®(メマンチン)ですが、どのように違うかご存知ですか?
今回はアリセプトとメマリーの違いについてとそれぞれの薬の副作用について解説します。
アリセプトとメマリーの違いは?
アリセプト®(ドノペジル)は日本の製薬会社エーザイが研究し、発売した薬です。日本では今から17年前の1999年に認可され、初めて使用されるようになった抗認知症薬です。
アリセプトが商品名であり、ドノペジルが成分名になります。
軽症から重症のアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の患者さんに使用される薬となっています。
この薬はコリンエステラーゼ阻害薬とよばれる薬で、アセチルコリンを分解する酵素に働き、脳内のアセチルコリンの濃度を増やす作用があります。
詳しいアリセプトの内容はこちらから
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
一方メマリー®(メマンチン)ですが、ドイツで2001年に開発、販売開始された薬です。
アリセプトに比べるとまだ使用されている数が少なく、歴史が浅い薬です。 アルツハイマー型認知症の中等症から重症の患者だけに投与される薬です。
アリセプトと違ってメマリーはアルツハイマー型認知症の中でも中等度に認知機能が低下した患者に使われる薬であり、いきなり最初から投与される薬ではありません。
またアリセプトとは全く作用機序が違います。
メマリーの場合には、脳内のグルタミン酸濃度を調整することで認知機能の改善を行う薬になっています。
この2つの薬ですが、作用機序が全く違うため一緒に内服することが可能です。
メマリーの詳しい内容はこちらから
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アリセプトとメマリーの違い
・アリセプトは脳内のアチルコリンを調節し、メマリーはグルタミン酸を調節する
・メマリーは認知症が進んでから使用される
・アリセプトは認知症の初期の段階から飲むことができる
薬の目的は2つともに認知症の症状を進行を抑制させるためのものですが、作用、使用される時期が若干違います。
アリセプトとメマリーの副作用の違いは?
アリセプトとメマリーは脳内の作用部位、作用する神経伝達物質が違うため注意する副作用が若干異なります。
アリセプトの副作用としては、消化器症状が多く、嘔気、嘔吐、胸焼けの症状がでやすいとされています。
また興奮したり、攻撃的になったり、イライラしたりすることもわかっており、注意が必要です。
メマリーの副作用については、めまいが一番多く見られる副作用です。その他アリセプトとは違い、興奮するよりも逆に活気がなくなったり、眠気が強く、傾眠傾向になることが多く報告されています。
でやすい副作用は両方とも若干違いますが、その他の副作用は概ね一緒であり、どちらの薬も注意が必要です。
副作用について
・アリセプトは嘔気、嘔吐が副作用としてでやすい
・アリセプトは興奮、攻撃的になりやすい
・メマリーはめまいの副作用が多い
・メマリーは眠気や活気が低下することが多い
今回アリセプトとメマリーの違いについて解説しました。
アリセプトとメマリーはどちらも認知症の症状進行を抑えるために使われる薬ですが、作用機序が違うため若干症状の改善、副作用が異なります。
ちょっと薬の違いを知っていれば副作用が出た時にどちらの可能性が高いかわかりますし、対処も早くできると思います。