てんかんとは全身のけいれんなどを起こす発作性の病気であり、どの年齢にも起きる病気です。
てんかんの患者さんは発作頻回に起こしてしまうと知的障害が起きたり、注意力が低下したりと神経認知機能が低下してしまう可能性があります。
そのため発作をおこなさないようにするために薬を内服します。てんかんの薬がうまく合えば発作は治まり、認知機能も改善します。
ただ薬の副作用で逆に認知機能が低下することもあるの知っていましたか?
だから認知症の人がこのてんかんの薬を飲むときには注意が必要です。今回はてんかんの薬の副作用で認知症になってしまうことがあるのかを解説します。
てんかんとは?
てんかんとはてんかん発作を繰り返して起こす脳の病気のことを言います。脳の神経細胞が普段とは違う異常な電気的な興奮によって惹き起こされる発作を特徴としています。
年齢、性別、人種に関係なく発病し、様々な原因で惹き起こされ、色々な検査異常が伴うものとされています。
てんかん発作には様々な発作があり、人によっていろいろな症状を出します。
てんかん発作を繰り返してしまうと認知機能が低下する場合もあり、発作を抑える治療が必要になります。
基本的には薬での治療がファーストチョイスになります。ただし薬ではコントロールできない一部の人は手術加療も行われることがあります。
高齢者のてんかんとは?
最近では高齢者にもてんかんの病気が増えてきているのをご存知でしょうか?
高齢者の場合は脳卒中を発症する人が増加する影響でその後遺症によって起こる症候性てんかんがもっとも多いと報告されております。
最近では原因がはっきりしないてんかんも高齢者には多発しており、高齢者にも注意が必要な病気となってきています。
また認知症の患者様にもてんかん発作を合併する人も増えており、高齢で認知症を持つ人は今後てんかんを発症して治療をうける可能性があります。
てんかんの薬で認知症になる?
てんかんの治療はまずは薬で発作をコントロールする方法が一般的です。発作の頻度が減少するように薬の調整が行なわれていきます。
てんかんの薬には、現在デパケン®️(バルプロ酸ナトリウム)、テグレトール®️(カルバマゼピン)、イーケプラ®️(レベチラセタム)、ラミクタール®️(ラモトリギン)など数10種類ほど販売されており、発作の特性に合わせて薬が処方されています。
基本的にはてんかんの薬の全てが脳の神経活動を抑える作用があり、そのためぼんやりしたり、眠気が強くなったり、傾眠がちになったりすることがあります。
また注意力が低下したり、認知機能が低下したりする副作用もでることがあります。
上記のような症状が出ると周囲からみると認知症になった、もしくは認知症の症状が進行したよう見えてしまいます。
ただ、てんかんの薬で認知症という病気になることはありません。
副作用によって認知症ようの症状がでたり、認知症の症状が進行したようにみえるだけです。
もしもてんかん、てんかん疑いで薬が処方され、認知症のような症状がでた場合には副作用を疑って、かかりつけ医に相談してください。
てんかんの薬は自己中断で発作が誘発される可能性があります。必ず副作用が疑われ場合にはかかりつけ、もしくは脳神経の専門病院に相談するようにしてください。
まとめ
高齢者、認知症の人でてんかんと診断された場合にはてんかんの薬を飲む場合があります。
その際に薬を内服しだしてから認知症のような症状がでた場合には薬の副作用の可能性があります。
必ず医療機関を受診して、薬にについてしっかり相談するようにしてください。