認知症と診断されてまずは気になるのは薬で治るのかどうか?
治療薬で物忘れ、記憶障害、注意障害などさまざまな症状が改善すれば本当にいいのですが、今のところ認知症が治る薬はまだありません。
ではなぜ認知症の薬を飲んだ方がいいのでしょうか?
どんな薬にも副作用というデメリットがあるため、治らないのであれば飲まなくてもいいような気がします。
今回は認知症の薬に効果があるのか、そして副作用は一体どんなものか、さらに薬は飲んだ方がいいいのかどうかについて解説します。
認知症の薬で治るのか?
今、日本では認知機能を改善させる薬が4つほどあります。中核薬とよばれる薬で症状を改善させるために飲む薬です。
ただし中核薬を飲んでも認知症は治りません。そして今ある薬の中に認知症を根本的に治療する薬は一切ないのが現状です。
つまり認知症は薬では治らないんです。
でも病院やクリニックではたくさんの数の薬が処方されています。一体なぜ治らないのに多くの人に使われているのでしょうか?
多くの人が薬を飲んでいる理由
・薬を飲むことで認知症の進行を遅らせることができる可能性があり
・活動性が上がる可能性があり
・今ある薬しかないから
さらに薬がうまく効けば、精神的な状態が安定し、本人、家族の気持ちも楽になります。さらには介護の負担もへり、家庭内での介護も継続することができやすくなります。
ただし薬の副作用で悩んでいる人もいらっしゃいます。
症状の進行を抑えてもらいたくて薬を処方してもらったのに、副作用で歩けなくなったり、暴力的になったりする人も報告されています。
薬は根本的な治療薬ではないため、副作用を考えながら本人、家族が過ごしやくすなるような方法で薬を処方してもらう必要があります。
認知症の薬はどのように処方されるのか?
認知症の薬ですが、基本的には中核薬とよばれる薬を中心に使われています。そしてさらに興奮、攻撃性の増大、うつ症状など周辺症状に対しても薬が使われています。
基本的には認知機能の改善、悪化を防ぐためにアリセプト(ドノペジル)、イクセロンパッチ・リバスタッチ(リバスチグミン)、レミニール(ガランタミン)、メマリー(メマンチン)が使われています。
行動心理症状として現れる周辺症状に対しては抗精神病薬、漢方、抗うつ薬などが対処法として使用されています。
いずれも根本治療薬ではありません。
周辺症状を取る薬は副作用の危険性が一気に上がります。しかしながら薬を使用することで自宅で長く過ごせるようになる可能性もあり医師としっかりと相談してから使ってもらうようにすることが大事です。
認知症の薬の種類と副作用について
中核薬
・アリセプト(成分名:ドノペジル)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・レミニール(成分名:ガランタミン)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・リバスタッチ・イクセロンパッチ(成分名:リバスチグミン)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・メマリー(成分名:メマンチン)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
これらの薬ですが、進行を抑える作用は少しはあります。ただし進行がゆっくりになるだけで根治させる力はありません。
最近ではこれら中核薬の副作用がさまざまな問題を引き起こしており、注意が必要になってきております。
周辺症状を治療する薬
・不安、緊張、苛立ち、うつ状態・・・・抗不安薬
・興奮、攻撃性、幻覚、妄想、徘徊・・・・抗精神病薬
・うつ状態、無関心、不安、苛立ち・・・・抗うつ薬
・自発性の低下、うつ状態、意欲減退・・・脳循環代謝改善薬
・不眠、夜間徘徊、昼夜逆転・・・・睡眠導入剤
・イラつき、興奮、食欲不振・・・・漢方薬
これらの薬は基本的に周辺症状で介護に困っている時に使用されます。
ただし抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠導入剤などは暴力、興奮などの陽性症状を抑える力はありますが、鎮静作用があるため転倒、傾眠、ふらつきなどの副作用もみられることがあります。
抗精神病薬
・リスパダール(成分名:リスペリドン)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・セロクエル(成分名:クエチアピン)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・グラマリール(成分名:チアプリド)
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
・抑肝散
furusatonouzei-otoku.hatenablog.com
認知症に薬を使うときの注意点とは?
認知症のそれぞれの症状に対して薬が処方されますが、まずは根本的な治療薬ではなく、認知症は治らないことを頭に入れておいてください。
あくまでも対症療法であり、本人、家族の生活を過ごしやすくするための薬です。
そして薬に関しては個人によって効き方が違います。そのため症状の改善があったり、逆に副作用が出て症状が悪化することもあります。
どちらにころぶかはわかりません。
だから認知症の薬を内服するもしくはさせる時には症状の変化をみることが重要になります。
そして、薬には副作用があります。
もしも副作用がでた時には、根本的な治療薬ではないため他の薬に変えてもらうか、もしくは中止してもらうようにしましょう。
抗がん剤には本当に効果があるものもあります。命を考えると副作用がでてもつづける価値はあります。
しかしながら認知症の薬はあくまでも目に見える症状を抑えるだけの対症療法の薬です。
まずは本人、家族が笑顔で楽しく過ごすことを第一として考えながら、薬の治療を考えていきましょう。
今はサプリにも効果があるものがでています。もしも薬の副作用で困ったなら薬にこだわらずサプリも試してみることも一つの方法です。