認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

認知症の薬の副作用 | デパケン(バルプロ酸)とは?

デパケン®️(バルプロ酸)という薬をご存知でしょうか?

もともとて幼少期のてんかんの治療であったり、精神科で気を鎮めるために使われている薬です。古くからある薬で、様々な領域で現在使用されています。

このデパケン(バルプロ酸)ですが、実は認知症の人の治療でも使用されています。特に怒りやすかったり、攻撃性が増してきたりした場合に投与されています。

今も精神科の病院などではよく出されているデパケン®️(バルプロ酸)ですが、この薬が一体どんなものか、そしてその効果、さらには薬の副作用について今回は解説します。

デパケン®︎(バルプロ酸)とは?

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デパケン®️(バルプロ酸ナトリウム)という薬ですが、結構古くから使われている薬です。

もともとてんかんなどの病気に対して一番使われていた薬であり、小児から大人にさまざまなてんかんの発作に対して幅広く使われています。

古い薬のため最近ではジェネリック薬品にほとんど変わっており、「バルプロ酸ナトリウム○○○」というような名前になっています。最近はてんかん、精神病以外にも認知症の症状を抑える目的でも使用されています。

もともとてんかんの発作予防の目的で作られた薬であり、てんかんの中では全般発作、欠神発作、部分発作など広い範囲のてんかんの発作予防目的に使われていました。現在もてんかんの治療薬もしくは予防薬として使用されています。

また片頭痛が慢性化した時の発作予防薬として使われたり、躁鬱病の際のそうの時期の治療薬としても使用されています。

このバルプロ酸の作用ですが、GABA(ガンマアミノ酸)と呼ばれる脳の活動を抑える神経伝達物質を増幅させる事でてんかんや躁鬱病の症状を抑えることがわかっています。他の神経伝達物質にも作用して、ドーパミンなどの濃度も上げることもわかっています。

この薬ですが、一部の病院、クリニックなどでは認知症においての陽性症状と呼ばれる症状を抑える目的で使われてることが多い薬です。

陽性症状として、怒りっぽさ攻撃性イライラなどの症状が該当し、これらの症状を抑える目的で使われています。

特に精神科での処方が多く、認知症で攻撃性、興奮などの症状が出た時によく使われているようです。ただし認知症の方への投与に関しては保険適応外であり、ひとまずどうしても周辺症状が強く大変な時に出される薬になっています。

デパケン®️(バルプロ酸ナトリウム)の副作用

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 このデパケン®️(バルプロ酸ナトリウム)ですが、認知症の方が使用した場合うまく効果が出れば攻撃性が収まり、興奮しなくなり、症状が穏やかになることが報告されています。

ただ一方でデパケン(バルプロ酸ナトリウム)の副作用が出てしまうと本当に大変です。

デパケンですが、副作用として多く報告されているのが、肝機能障害です。この薬を飲むことで肝機能が悪化したり、アンモニアと呼ばれる体内の不純物の濃度をあげてしまい高アンモニア血症を起こしてしまうことが有名です。

またこの薬ですが、基本的には脳内の活動を抑制する作用があるため傾眠傾向になったり、活気がなくなったりする副作用が見られる場合があり注意が必要です。

また認知症の人の攻撃性を抑えるために投与することが多いのですが、この薬のせいで認知機能障害が悪化したりする副作用も報告されています。そのため周辺症状、陽性症状が強くて本当に困っている以外では飲まない方がいいお薬です。

安易にこの薬を試すよりはまずは介護方法、家族の対応の仕方で症状がおさまらないかをみてあげてください。

さらにパーキンソン症状を副作用でおこすことも報告されており、歩行障害、ふらつき、振戦などが出た場合には十分注意する必要があります。

この薬が処方されてから認知機能の低下、倦怠感、歩行障害などが現れた場合にはすぐにかかりつけに相談して減量もしくは中止してもらようにしましょう

 またこのデパケンですが薬の性状のため認知症になっている高齢者が飲むと少量でも副作用が出る可能性があります。

そのためもしもこの薬が処方された場合には副作用がでることも念頭においてしっかりと様子を見てあげるようにしてください。

さらにこの薬、他の薬と飲み合わせが悪い場合があります。しっかりとデパケン以外で飲んでいる薬があったら主治医、薬剤師の人には報告するようにしてください。

 

認知症の症状で陽性症状が出た時にはデパケン®️が処方されることがあります。効果が出ればいいのですが、副作用も出ることもあるため内服時には十分注意が必要です。