認知症の薬、治療薬の副作用対処法

認知症に困っている方は改善を期待して薬を飲んでいます。認知症の治療薬にはアリセプト、メマリー、レミニールなどがあります。効果もありますが反面副作用もあります。嘔吐や歩き方が悪くなったり、怒ったりする副作用があり、その対処法を解説するサイト。

認知症の薬の副作用 | スルピリド(ドグマチール)について

高齢者や認知症の人に使われる薬でドグマチール®︎(スルピリド)についてご存知でしょうか?

もともと抗うつ薬もしくは胃薬として使われていた薬です。この薬ですが認知症の食欲低下、気分低下などに投与されることがあります。

ドグマチール®︎(スルピリド)が一体どんな薬でどんな作用があり、そして注意する副作用について今回は解説します。

ドグマチール®︎(スルピリド)とは

f:id:brainexpert122:20170125164419j:plain

ドグマチール®︎(スルピリド)は1973年に発売された薬で、もう薬の中では古株です。ただ古い薬ではありますが、現在でもなお使われている薬の一つです。

当初は胃薬として販売され、慢性胃炎、胃痛などによく処方されていたのですが、途中で「うつ病」にも効果があることがわかり、今では抗うつ薬の一つとし位置付けられています。

ドグマチールは現在胃薬、統合失調症の薬、抗うつ薬として使われています。

この薬はドパーミンという神経伝達物質の働きを低下させることで様々な効果を発揮します。様々な効果で胃粘膜保護作用や精神安定作用などの効果をだす薬です。

このドグマチール(スルピリド)は脳内の視床下部の働きを抑えることで交感神経系の活動を低下させます。この作用により胃粘膜の血流を増加させ、粘膜を保護してくれます。さらに消化管の運動を促進させて、腸内環境を整えてくれます。

さらに胃だけではなく、精神的な面にも作用することがわかっており、統合失調症にも投与されるお薬です。ただし最近は統合失調症などに非常に効果がある新薬が出ており、現在では精神的な症状の改善にはもちいられていないのが現状です。

あと抗うつ剤としてもドグマチールは使われています。

その作用機序ははっきりしていませんが、うつ病に使用したところ改善効果が見られ、現在でも使用されています。

ドグマチールは胃薬、抗うつ薬、抗精神病薬と3つの役目をもつ薬です。特徴としては即効性があり、他の抗うつ薬に比べる副作用が少なく私たちにとっては飲みやすいお薬です。

認知症の人においては、抑うつ症状に対して活気を出すために処方されており、食欲不振の時に処方されることがある薬です。

比較的高齢の先生かもしくは精神科の先生が多く出すことが多く、認知症の人にも効果を発揮します。

ドグマチール®︎(スルピリド)の認知症の人への副作用とは?

f:id:brainexpert122:20170125164905p:plain

このドグマチールですが、最近は胃薬として使われるよりも高齢者のうつ症状や食欲低下に使われることがあります。症状が改善する方もいるようですが、とんでもない副作用がでたり、長期の服用で歩けなくなったりすることもあり注意が必要です。

一般的な抗うつ薬などは胃腸症状が出やすく、嘔気、嘔吐、食欲低下などを起こすことが多いとされています。一方ドグマチールにはこのような胃腸症状はでにくく飲みやすい部類の薬のため高齢者によく投与されています。

ドグマチールの注意すべき副作用とは?

この薬ですが、ドーパミンを遮断する作用があるため錐体外路症状並びに高プロラクチン血症という副作用を起こすことが有名であり、注意が必要です。

プロラクチンを産生する脳下垂体腫瘍、体の中の褐色細胞腫などを持っている場合は原則内服してはいけません。

軽い副作用としては眠気めまいの症状が多いと報告されています。もしもこの薬が処方された時には自動車運転には注意が必要であり、運転は控えるようにした方がいいでしょう。

認知症の薬として処方された時に注意が必要なのが、錐体外路症状です。錐体外路症状とは、パーキンション病のような症状であり、振戦、歩行障害などの症状のことをいいます。

高齢の認知症の人はこの薬でパーキンソン症状がでて、歩行困難になったり、転倒するリスクが高まる可能性があり、注意してください。

また痙攣発作、悪性症候群などの危険性もあり、ドグマチール®︎(スルピリド)内服開始した時には何かちょっとした変化がでていないか毎日観察する必要があります。

またこの薬長期間服用しずぎると副作用がでてしまうことがあり、症状が改善したようなら早めにかかりつけ医に相談して中止してもらいましょう。

副作用がでた時の対処法

ドグマチールですが、副作用の報告は他の薬と違ってすくないとはされています。ただし変化がでた時には副作用の可能性がないわけではないので必ずかかりつけ医、もしくは薬剤師に確認しましょう。

この薬を飲みだしてすぐに副作用がでた場合には、少量の内服量であれば家族、もしくは自己判断にて中止しても問題はありません。

100mg程度の内服であれば急に中止しても問題ありませんが、これ以上の量を飲んでいた場合いきなり中止すると悪性高熱と呼ばれる非常に怖い副作用がでることがあります。

量には注意して、多くの量を飲んでいて副作用がでた場合には必ずかかりつけ医に相談してください。

また歩行状態が悪化してきた場合には錐体外路症状がでている可能性があります。その時には必ずかかりつけ医に確認して、薬の減量もしくは中止を判断してもらいましょう。

スルピリド(ドグマチール)の認知症の人への副作用について解説しました。飲み始めたから変化があった場合にはすぐに相談してください。